山を登る魚

山を登る魚のようにジタバタしながら生きてます

33歳の男が1人で宝塚歌劇を観に行ったレポート【宝塚宙組公演「シャーロック・ホームズ/Délicieux!」】

**「宝塚大劇場で宝塚歌劇を観ること」。**これは僕の人生における夢のひとつだった。30もとうに過ぎた男が一人で宝塚を観に行ってもいいのか、長いあいだ葛藤があった。

それでも、現地で、生で、あのタカラヅカを観てみたい。その思いが強くなり、ついに夢を実現させることができた。

それはそれは素晴らしい体験だった。めくるめく非日常の世界。チケットを取り、仕事を休み、勇気を出して劇場に足を運んで本当によかった。

僕のようになかなか一歩を踏み出せずにいる男性の背中を押したいという思いで、当日のレポートを書くことにした。

聖地・宝塚に立つ

2021年7月のとある平日。自宅から電車に揺られること1時間半。僕は宝塚の地に立っていた。

駅舎にも気品がある

カバンの中には宝塚宙組公演**「シャーロック・ホームズ/Délicieux!」**のチケット。

高まる期待と不安。開場の時間までは少し時間があったので、宝塚の街をゆっくり歩いて気持ちを落ち着かせつつ大劇場に向かうことにした。

駅から劇場にかけての街並みはタカラヅカの華やかな雰囲気にブランディングされており、非日常の世界に引き込まれていく。

ディズニーランドに向かうときの現実世界から夢の国に近づいていく感覚に似ている気がする。

阪急宝塚駅前の銅像。気分が高まる

駅前広場から商業施設「ソリオ」を抜けると、劇場に続く「花のみち」に出た。

左手にグッズショップなどの入った洋風の建物、右手に名門・宝塚ホテルを見ながら歩いていく。まさに劇場までの花道のような趣がある。

宝塚ホテルを通り過ぎると、右側に大きな建物が見えてきた。宝塚大劇場に到着だ。

ちょうど前の公演が終わり、出てくる人がたくさん

大劇場の中へ

劇場から出てくるご婦人方の波に圧倒されながら、宝塚大劇場の入っている建物の中へ。本当に男一人で入ってもいいのか…?と不安がよぎるが、わりと普通に入れた。

内装もさすがの高級感。床は全面じゅうたん張りでフカフカ。天井からは大きなシャンデリア。

館内の様子。ラグジュアリー…

大劇場改札までの通路にはフードコートやお土産店、ジェラート屋さんが両脇にズラリと迎えてくれる。

ジェラート屋には行列が

改札の隣には公式グッズショップ**「キャトルレーヴ」**。

店内はファンの熱気にあふれていた

店内にはスターのブロマイドや公演DVD、オリジナルグッズやムックがところ狭しと並んでいた。

この日は混雑を避けるため、別の場所で入店整理券を配布していた。観劇前に買い物を済ませたい人は早めに行くことをすすめたい。整理券があっても開場直前はかなり混んでいた。

整理券配布の様子

そしていよいよ劇場改札でチケットをもぎってもらい、劇場内へ。まず見えてくるのが大きな階段。目の前にするとスケールが大きく驚いた。

この一連の公演が第107期の初舞台らしく、全員の顔写真が載った紹介ボードが。全然予習していなかったから当日初めて知った…。

デビューおめでとうございます

今日の座席は1F。初めての観劇ということで、気合を入れてS席を確保。

というかS席で税込8,800円ってめちゃくちゃお安くないか…いいんですかタカラヅカさん…。

他のミュージカルや舞台と比較するのはナンセンスかもしれないけど、この席ならたぶん平気で1万円超えてくるんだろうなと思う。

席種はSS・S・A・Bの4つ。今回の席は赤マルのあたり

劇場そのものは思っていたよりコンパクト。そのためか、だいぶ左側の席だったがあまり気にならなかった。むしろ舞台袖や花道を行ったり来たりするキャストさんが良く見えるのでこれはこれでありかも。

S席の中では後ろのほうだったがステージからの距離感はそれほど遠く感じなかった。劇場の造り自体が観劇に最適化されているように思える。さすが聖地。

客席からの景色

着席して周りを見渡してみると、自分と同じように一人で来ている男性の姿も意外に多く見られて少しホッとした。基本的にはカップルや夫婦で来ている人が多かったが。

それでも男女比は女性9:男性1ぐらいか…ただ土日はもう少し男性比率が増えるんじゃないかとは思う。

開演!!!

いよいよ開演。今回の公演はシャーロック・ホームズ(お芝居)とDélicieux!(ショー)の2本立て。

内容を表現できる文章力がないのが歯がゆいが、とにかくすごかった。たったの8,800円でこんなハイクオリティかつ濃密なステージを見せて頂いていいんですかという気持ち。

  • オーケストラの生演奏がすごい
  • ステージの立体感、奥行きがすごい
  • 男役は男から見てもカッコいい。むしろ男よりカッコいい。
  • 舞台上にあれだけたくさん人がいて、縦横無尽に動き回るのがすごい
  • スムーズな場面転換でお芝居の世界観に没入
  • ショーが華やかすぎて頭がくらくらする
  • ラインダンスの迫力に圧倒されて感動
  • 大階段高い…スターのオーラすごい…

本当に素晴らしいステージだった。以前から演劇やミュージカルは見に行ってみたいと思いつつ、なかなか足が向かずにいたが、初めてがタカラヅカで本当に良かったと心から思った。

華やかでキラキラした、めくるめく非日常の世界が展開される。男が観ても全然楽しめる、というか男とか女とかそんなものはどうでもよくなる。

ただ、登場人物と話のスジはある程度頭に入れていったほうがより楽しめるのかなとは感じた。

今回だと、ホームズとワトソンとモリアーティの名前ぐらいしか知らなかったし、それぞれの関係性とかバックグラウンドとか全然わからないから話の展開にちょっとついていけないところもあった。それでもじゅうぶん面白かったが。

ちなみに僕は家に帰ってからシャーロックホームズの原作本を注文した。

まとめ

いちおう男性向けに書いた記事ではあるが、見に行こうか迷っている人がいるなら男女問わずぜひ行ってほしい。たぶん後悔しない。

せっかくだから奮発していい席で観よう。最初だしA席ぐらいでいいかな…と思ってるならもう少しがんばってS席で観よう。それだけの価値はある。保証する。

あとタカラヅカを観ようと思って最初に悩んだのは、どこでチケットを取ったらいいのかということ。僕の場合はチケットぴあを使った。

チケットぴあは会員限定の貸し切り公演をやるから、そこが狙い目。1次・2次先行あたりで取れればベスト。ただ公演日が平日なのがネック。

あと必ずオペラグラスは持っていこう。スターたちの華麗な衣装や踊り、表情をつぶさに見るためには絶対に必要。

2倍ぐらい楽しくなるので必需品といってもいい。8倍ズームぐらいがどの席でも使える汎用性があってオススメ。

実は宝塚大劇場でオペラグラスをレンタルすることもできる。この記事では大劇場でレンタル用として使われているこちらのオペラグラスをオススメしておく。

服装もバチバチに決める必要はないし、マナーも普通の舞台観劇と変わりない。あまり気負わなくても大丈夫だから、男性の皆さんも存分にタカラヅカの世界を楽しんでほしい。