読んだ理由
王道の一冊を読んで長年の自己啓発書漁りに区切りをつけます。もううんざりなんだ。
世の中の自己啓発書はだいたいこれのコピーだと言われるぐらいの名著。あと営業の仕事をやっているので何かしらプラスになればいいな。
感想
本書では歴史上の著名人を実例として引きながら、他人を「動かす」「好かれる」「説得する」「変える」ための原則を挙げていきます。
カーネギーが全編を通してずっと書いてるのは「他人は責めるな、いい所を探して心から褒めろ」ということ。ただのお世辞はダメですよ。本心から褒めましょう。
他人を非難することで自分の思うように動かそうとすることの愚かさについては下記の文章がわかりやすく、心から納得しました。
他人のあら探しは、何の役にも立たない。相手は、すぐさま防御体制を敷いて、 何とか自分を正当化しようとするだろう。それに、自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心を起こすことになり、まことに危険である。
D・カーネギー. 人を動かす 新装版. 創元社. Kindle 版.
例え落ち度があったとしても、言い分も聞いてもらえず一方的に非難されてそれを素直に受け止められる人間は少ないのです。
この部分を読んで思い出したのが、織田信長と明智光秀の関係性でした。
信長が光秀に相当キツくあたっていたことが本能寺の変の一因になったという説がありますね。あの辺に関しては諸説ありすぎますが。
でも、もし信長がこの本を読んでいたら…歴史が変わっていたかもしれませんね。
人はどんなに責めても怒鳴っても脅しても決して動かせません。動いているように見えてもそれは無理やり「動かした」だけで、相手の心は動いていません。
反対に動かせないどころか余計に頑なになったり反抗的になることが多いですし、あまつさえ逆恨みされることだってあるのです。
この点、自分でも思い当たるところ結構ありました。仕事でも、プライベートでも。
他にもカーネギー自身の体験などに基づく方法論がたくさん載っていますが、まずはできそうなやつから一つずつやってみようかなと思います。
文庫版でお手頃ですし、ロングセラーだけに改訂も重ねられて読みやすくなってますのでいいですよ。もう自己啓発書漁りは終わりにしましょう。カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」の2冊で終了です。
おすすめしたい人
- より良い対人関係を築きたい人
- 人と接する機会が多い仕事に就いている人
- もう自己啓発書を読み漁るのは疲れたよ~な人