2021年の10月某日。私はある重大な決断を下しました。
ソニーのフルサイズカメラであるα7iiiを売却し、オリンパスのOM-D E-M5 Mark IIIを購入したのです。
my new gear…
— 楢原めばる (@NaraharaMebaru) 2021年10月29日
フルサイズ(α7Ⅲ)からマイクロフォーサーズにやってきました。軽さは正義。一緒にたくさん出かけるぞ〜!#OLYMPUS pic.twitter.com/SI6b4XbGpc
α7Ⅳ発表直前という神タイミングでα7Ⅲをヤフオクで手放すことができたという神の啓示かのような展開も私を後押ししてくれました。
とはいえ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのαシリーズ、それもフルサイズからマイクロフォーサーズになぜ移ってきたのか。
今回の記事ではそのあたりの理由を書いていきたいと思っています。
小型軽量。とにかく持ち出したかった
これが最大の理由です。とにかく持ち出す機会を増やしたかった。
αシリーズもミラーレスということで、フルサイズ機としてはとても小型で取り回しやすいカメラです。
ただレンズを付けると私にはどうしても重たかった。
私はα7iiiにFE 24-105mm F4というズームレンズをセットにして使っていたのですが、合わせると1kgを越える重さになります。
- α7iii 565g(バッテリー等は除く)
- FE 24-105mm F4 663g
- 合計 1,228g
首から下げて街歩きぐらいならなんとかなるんですが、アウトドア、ましてや登山なんてもってのほかなぐらい重く感じるんですよね。とても首からかけてなんていられない。
買った当初はフルサイズ機が嬉しくて持ち出す機会も多かったですが、だんだん触れることもなくなってしまいました。カメラとレンズには申し訳ないことをしたなと今でも思います。
確かに画質は良いのかもしれない。でも自分がやりたいのは作品作りじゃなくて、気軽に持ち出せて旅先の思い出をちょっと綺麗に残したいんだってことに気づいたんですよね。
ちなみに今のカメラとレンズはこれぐらいの重さになります。
- OM-D E-M5 Mark III 366g
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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 254g
- 合計 620g
以前のシステムの約半分の重さです。
首から下げて山を登っていても全然辛くない。カメラもレンズも小さいから狭い山道ですれ違うときに気を使うこともない。
圧倒的にカメラを持ち出す機会が増えましたし、撮影枚数も増えました。カメラを使い倒す感覚っていうんですかね、そういうものを初めて感じました。
「写りの良いスマホでも良かったんじゃないの?」という疑問への回答
正直言ってこれは考えました。「小型軽量って言うなら、例えば今使っているiPhone SE2からiPhone13proに乗り換えればいいんじゃないの?」と言うもうひとりの私。
動くものや暗所ではまだミラーレス・一眼レフに譲るところはありますが、静物画やとくに風景写真でフルサイズ機で撮った写真と比較してもほとんど区別はつかないです。少なくとも私の目では。
それでも私は「ファインダーを覗いてシャッターを切る」その行為自体が好きなんです。だからあえてマイクロフォーサーズを選びました。
それがこの疑問への回答ですね。
じゃあAPS-Cは?って話になるんですが、富士フイルムは以前に使ってたから、せっかくだし違うマウントに変えてみたかっただけです。笑
あとは防塵防滴にこだわるならX-T4以上のカメラしか選択肢がないことですね。正直X-T30 IIは狙ってましたが、防塵防滴がないので選択肢から外しました。
カメラを持つ目的がはっきりした
上でも少し触れましたが、自分がやりたいのはとことんまで画質を追い求めて、追い込んだ現像して、コンテストに応募したり作品展をやることじゃないんですよね。
あくまでメインは旅行であり、登山であり、イベントであるわけです。
世の中には、いい写真のためなら荷物が大きく重くなっても構わん!という人たちがたくさんいます。職業としてフォトグラファーをしている人は除いて、趣味として写真を撮っている人の中にもたくさんいます。
でも私はそうじゃなかった、ということに気づいたんですね。そのことに気づくまでにだいぶ時間もお金も使いましたが。
スマホで撮るより少し綺麗な写真で残したい、ファインダーを覗いてシャッターを切る行為そのものが好きだから続けたい。
その結果の選択がマイクロフォーサーズでありOM-D E-M5 Mark IIIというカメラだったわけです。
とにかく見た目が好き
主な理由は上に書いた2つが大きいです。で、マイクロフォーサーズのカメラの中でOM-D E-M5 Mark IIIを選んだ理由に関しては完全に見た目が好きだったからです。
これまで使ってきたカメラのボディカラーが全部ブラックだったから、シルバーに憧れがあったんですよね。
シルバーのカメラって昔のフィルムカメラっぽくてカッコよくないですか?これ私だけですかね?
上位機種のE-M1 Mark IIIを選ばなかったのもこれが理由の一つ。E-M1にはシルバーボディがないんですよ。重さが100g以上違うし、あの深めのグリップが好みじゃないのもありますが。
いつも一緒にいたくなる、持ち出したくなる自分好みのルックスも大きな要素のひとつですね。これもそれなりに色々カメラを触ってきたから気づけたことかもしれません。
E-M5 Mark IIIは常に目に見えるところに置いておきたくなるような相棒感を既に醸し出していてすごく気に入っています。これからもっといろんな所に一緒に行きたいですね。
交換用レンズの金額
身もふたもないんですけどお金は大事ですから…。
SONYのαは本体も純正レンズも高い。特にレンズはすごくいいレンズなんだけど高い。私のボーナスじゃとても買えないような金額のものばっかりです。
例えばいわゆる「大三元」と呼ばれるレンズで比較してみましょう。価格はいずれも公式オンラインショップから引っ張ってきました。(価格はすべて税込です)
SONYの場合
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FE 16-35mm F2.8 GM 324,500円
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FE 24-70mm F2.8 GM 305,800円
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FE 70-200mm F2.8 GM OSS 363,000円
- 合計 993,300円
OLYMPUSの場合
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M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO 162,800円
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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 104,500円
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M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 180,400円
- 合計 447,700円
オリンパスでは重さと同じようにソニーのだいたい半額ぐらいで大三元レンズが揃ってしまいます。それでも高い買い物ではありますが…手は出なくはないかな?という金額に見えてきます。
発売から年数が経っていて中古のレンズ市場も決して在庫が薄くないですし、新品にこだわらないならそっちも活用すればもっとお安く手に入れられるはず。
どの趣味にどのぐらいの時間とお金をかけるかというのは社会人の永遠の課題だと思うのですが、私の場合はカメラとレンズにこれ以上お金はかけられないと考えたというだけの話です。
まとめ
ざっくりまとめるとこんな感じでマイクロフォーサーズ、というかオリンパスのカメラ機材に乗り換えることにしたわけです。
フルサイズへの憧れは今でもありますし、これはフルサイズ機じゃないと撮れないなぁ…と思う写真に出会うこともたくさんあります。
でも今の私には必要ないと言うか、オーバースペックだなと思ったんですよね。
今後同じように自分の趣味や生活の中でのカメラの立ち位置がまた変わっていくのはあり得ることなので、例えば富士フイルムのX-Tシリーズあたりに戻っていくこともあるのかなとは思っています。
そういえば以前にこんな記事も書いていましたね。
ただとにかく、現時点での私における最適解はマイクロフォーサーズだし、オリンパスのカメラとレンズだと納得しています。
カメラとの付き合い方はライフステージが変化するタイミングなどで、これからも考えていくことになるんでしょうね。